インド企業省（Ministry of Corporate Affairs - MCA）は、2019年1月22日の通達により、預り金に関する会社規則(Companies (Acceptance of Deposits) Rules 2014)を変更し、預金報告書（Return of Deposit）を所定の報告書（Form DPT-3）にて、翌年6月30日までに提出するように義務付けました。

　このコンプライアンスを通してローン取引を捕捉しローン債権者を保護することが背景にあります。

　金融機関等から、融資を受ける場合や金融商品を調達した場合等にはDPT-3の申告が必要になります。親子ローン・対外商業借入（External Commercial Borrowing - ECB）も申告対象の借入れに該当するため、親子ローンを利用しているインド法人はDPT-3の申告が必要となる点に注意が必要です。

執筆・監修

鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki 名古屋大学工学部卒。米国公認会計士。2010年より足掛け10年インドへ進出する日本企業の拠点設立、会計、税務業務に従事。豊富な実務経験を活用し、複雑なインドの課題に対して各社に最適なソリューションを提供します。

新井 辰和 | Tatsuo Arai 慶應義塾大学商学部卒。日本公認会計士協会準会員。上場進出企業の月次・四半期連結決算対応からインドの税務まで幅広い分野を担当。専門知識と経験で、本社から見えにくい現地拠点の状況を透明性高く管理・サポートします。