HSNコードとは?
HSNとはHarmonized System of Nomenclatureの略で、世界税関機構(WCO)によって開発され、200ヵ国以上の税関で関税率表や貿易統計のベースとして使用されている国際的な品目表です。日本語では「HSコード」「輸出入統計品目番号」、「関税番号」、「税番」などと呼ばれることもあります。HSNコードは6桁の数字で表せれ、上2桁を類(Chapter)、類を含む上4桁を項(Heading)、項を含む上6桁を号(Sub-heading)といいます。
同一の番号であれば同一品目を示すため、現地の言葉が分からなくても日本の関税率表のコードと対比させれば関税率を調べることが可能です。また、HSの分類改訂は時代の流れに沿ってほぼ5年ごとに見直しをすることが加盟国により合意されております。
インド版HSNコードとは?
インドは1961年より世界税関機構(WCO)に加盟しており、当初は6桁のHSNコードを使用していました。その後、より物品を詳細に分類するべく6桁のHSNコードの末尾に2桁加えられ、今日のインドでは計8桁のHSNコードが運用されています。
インドの関税はこのHSNコードに基づいており、各物品のHSNコードはThe first schedule to the customs tariff act, 1975で規定されています。またRules of Interpretation of the first scheduleやGeneral Explanatory notesがHSNコード決定の際の解釈等を提供しています。GST法もこのインドの関税法が規定するHSNコードの規定に準拠しています。
SACとは?
HSNコードが物品の品番であったのに対し、SACとはサービスの品番になります。SACとはServices Accounting Codeの略であり、国連中央産品分類(United Nations Central Product Classification - UNCPC)をベースに間接税・関税中央委員会(Central Board of Indirect Taxes and Customs - CBIC)が修正を加えた上で設定されています。SACは6桁の数字で表せれ、上2桁を類(Chapter)、類を含む上4桁を項(Heading)、項を含む上6桁を号(Service Code)といいます。ただ、SACの上2桁(Chapter)は必ず「99」です。
GST法でのHSNコード / SACの役割とは?
納税者が物品の供給をする場合はHSNコードを、サービスを供給する場合はSACを自らが発行する請求書に記載する必要があります(CGST法細則第46条g項)。GST法はHSNコード / SACに紐づける形で各物品・サービスの種類ごとに0%, 5%, 12%, 18%, 28%の5段階のGST税率を設定しております。よって、納税者が請求書を作成する際に何%のGSTを課せばよいのかは、HSNコード / SACと税率表から判定できます。なお、GSTの月次申告を行う際も、HSNコード / SACを基に申告します。
HSNコードは8桁、SACは6桁から構成されておりますが、請求書に記載すべき桁数は下記の通りです。請求書の物品・サービス名目の横に欄を加え、HSNコード / SACを記載するのが一般的です。
2021年3月31日まで (Notification No. 12/2017 – Central Tax )
前会計年度の総売上高 | 請求書に記載すべき桁数 |
1,500万ルピー以下 | 記載不要 |
1,500万ルピー超から5,000万ルピー以下 | 2桁 |
5,000万ルピー超 | 4桁 |
2021年4月1日以降 (Notification No. 78/2020 – Central Tax )
前会計年度の総売上高 | 請求書に記載すべき桁数 |
5,000万ルピー以下 GST未登録者への請求書の場合 B2Cビジネスへの請求書の場合 B2Bビジネスへの請求書の場合 |
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記載不要 | |
4桁(任意) | |
4桁 | |
5,000万ルピー超 | 6桁 |
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |