インドの消費税はGST(Goods and Services Tax)と呼ばれ、日本の消費税法と同様で仮払GST(Input GST)に対しては仕入税額控除(Input Tax Credit - ITC)を使用できます。物品・サービスの受領者が仕入税額控除(Input Tax Credit - ITC)を主張するために満たす必要がある利用要件は主にCGST法第16条及びCGST法細則第36条にまとめられており、詳細はこちらを参照ください。
納税者がこれらの利用要件を満たした上で仕入税額控除(Input Tax Credit - ITC)を使用する場合には、納税者自身でGSTの月次申告(GSTR-3B)にて使用可能な仮払GST(Input GST)を申告し、GSTポータル上の電子仮払登録台帳(Electronic Credit Ledger)に使用可能な仮払GST(Input GST)をElectronic Creditに転換させます(CGST法第41条、第49条2項、CGST法細則第86条)。この電子仮払登録台帳に反映されたElectronic Creditを相殺(Set Off)することで仕入税額控除(Input Tax Credit - ITC)を使用します。
Electronic Creditの使用期限や繰越期限はありませんが、仮払GST(Input GST)をGSTR-3Bで月次申告を通してElectronic Creditに転換するのは、該当する請求書やデビットノートが発行された翌年の11月30日又はGST年次申告のいずれか早い日付までに行う必要があります。この期限内に使用できる仮払GST(Input GST)を月次申告で申告しない場合には、たとえ物品・サービスの受領時に仮払GST(Input GST)を払っていた場合でも、仮払GST(Input GST)を仕入税額控除(Input Tax Credit - ITC)として利用できなくなるため注意が必要です(CGST法第16条2項d号、4項)。
また、間接税・関税中央委員会(Central Board of Indirect Taxes and Customs - CBIC)は2024年6月26日付で通達(Circular No.211/5/2024-GST)を発行し、GST未登録者からの供給であり受領者がGSTをリバースチャージ方式で納税する必要があり、受領者がCGST法第31条3項f項に基づいてSelf-Invoiceが発行する場合には、当該Self-Invoiceが発行された年を基準に、CGST法第16条4項の期限が決定されることを明確化しました。つまり、Self-Invoiceを発行した翌年の11月30日又は年次申告のいずれか早い日付までであれば、仕入税額控除(Input Tax Credit - ITC)を主張できます。
執筆・監修
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鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
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新井 辰和 | Tatsuo Arai |