物品やサービスの提供者は買い手に対して請求書を発行しますが、Debit Noteも物品・サービスの提供者から買い手に対して発行される書類です。Debit Noteが発行される目的は発行済みの請求書を増額修正することにあります。減額修正する場合はCredit Noteという書類を用います。買い手は元々の請求書とDebit Noteでの請求額の総額を物品・サービスの供給者に支払うことにあります。
また、Debit Noteは物品・サービスの供給者が買い手のために立替払いした費用を買い手に対して精算する場合にも商習慣上使用されることがあります。実際に発生した費用額にマージンを乗せることなく精算する場合はDebit Noteを使用できますが、発生費用に一定のマージンを乗せて請求する場合は、Debit Noteでなく適格請求書(Tax Invoice)の発行が必要ですのでご注意ください。
Debit Noteの発行が求められるケース
CGST法第34条3項では、GST登録者が物品・サービスの供給に際して適格請求書(Tax Invoice)の発行後に、適格請求書に記載された課税価格もしくは税額が当該供給に関して支払われるべき課税価格もしくは税額を下回っていることが判明した場合に、買い手に対して会計年度に行われた供給に対してDebit Noteを発行することができると、規定しています。
Debit Noteを発行したGST登録者は、Debit Noteが発行された月のGSTの月次申告でDebit Noteの内容を申告し、GST納税義務額の増額額修正が必要になります(CGST法第34条4項)。
Debit Noteへの記載事項
GTS登録者は自らが発行するDebit Noteには下記事項を記載することが求められます(CGST法細則第53条1A項)。Debit Noteに記載された情報に基づいてGSTの月次申告等は行われるため、Debit Noteの記載内容は重要となります。
- 供給者の氏名、住所、及びGST番号
- Debit Noteである旨
- 請求書番号:アルファベット、数字、特殊文字、ハイフン、ダッシュ、スラッシュ、及びそれらの組み合わせを含む、1系列または複数系列の16文字を超えない連続シリアル番号
- 発行日
- 買い手の氏名、住所、およびGST番号または(登録している場合)固有ID番号
- 対応する適格請求書またはBill of Supplyの請求書番号と発行日付
- 追加で支払が必要な物品・サービスの供給額、税率及び税額
- 供給者またはその正式な代理人の署名又は電子署名
上記の情報を記載した適格Debit Noteサンプルはこちらよりダウンロード可能です。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |