GST登録はGSTポータルから登録申請を行いますが、その際に納税者の事業の場所(Place of Business)の住所の記入とその住所証明(賃貸契約書等)を添付する必要があります。この事業の場所として、バーチャルオフィスの賃貸契約書を提出することはできるのでしょうか?なお、ここで言うバーチャルオフィス契約とは、実際のオフィスや部屋を割り当てられ代わりに住所のみが割り当てられる契約で、コワーキングスペース運営会社が提供している住所の名義貸しサービス等を指します。
CGST法第2条85項では、事業の場所(Place of Business)は下記を含むと定義しております。
- 事業が通常行われる場所(倉庫等を含む)または課税対象者が商品を保管し、商品・サービスを供給もしくは受領する場所
- 課税対象者が帳簿を保管する場所
- 課税対象者が代理人を通じて業務に従事している場所
しかし、バーチャルオフィスでは実際の部屋が割り当てらっれることはないため上記の定義を満たすことができず、GST登録は却下されるケースが多いです。GST登録申請後には、GST当局の担当官が事業の場所の実在性を確認しに申請住所まで訪問することがあり、申請している住所がバーチャルオフィスの場合、事業の場所として認められずにGST登録が却下されてしまいます。
GST登録申請後には、GST当局での申請内容の確認に2~3週間ほどかかります。申請してから2~3週間の経過後に無事、GST番号の記載されたGST登録証が発行されれば良いですが、却下されてしまうと再申請を行い、再度2~3週間待つことになります。GST登録完了まではGSTを課税して請求書を作成することも仕入税額控除を使用することもできないので、事業を速やかに立ち上げるためにも、事業の場所の定義を満たすオフィス等の賃貸契約書を用意することが求められます。
執筆・監修
![]() |
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
![]() |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |