様式GSTR-3BとはGSTの簡易概要申告書であり、GST納税者が特定の課税期間における GST負債の概要を申告することを目的としています(CGST法第39条、CGST法細則第61条)。GSTR-3Bでは、物品・サービスの供給及び受領、利用する仕入税額控除、GST納税額等を記載します。また、GSTR-3Bの申告前までに当該対象期間のGST納税額を政府に納税する必要があります(CGST法第39条7項)。GSTR-3Bの申告までの流れはこちらをご確認ください。
なお、下記のGST登録者はGSTR-3Bの申告は求められていません。
- Input Service Distributor(CGST法第2条61項参照)
- 非居住のGST納税者(CGST法第2条77項参照)
- 簡易課税制度(Composition levy Scheme)を採用する者(CGST法第10条参照)
- オンライン情報データアクセス・読み込み(Online Information Data Base Access and Retrieval - OIDAR)サービス提供者(IGST法第14条参照)
- TDS徴収義務者(CGST法第51 項参照)
- TCS徴収義務者(CGST法第52 項参照)
QRMPスキームを適用している納税者を除き、GSTR-3Bの申告期日は翌月の20日です(GST法細則第61条)。また、GST登録者は該当月の売上(物品・サービスの供給)が無い場合であっても、GSTR-3Bの申告が求められます。なお、GSTR-3Bの申告後は申告内容の修正はできないため、翌月以降のGSTR-3B申告で修正を行う必要があります。加えて前月までのGSTR-1やGSTR-3B が申告されていない場合には、前月までのそれらの申告が完了するまでは当月のGSTR-3Bの申告はできません。
GSTR-3Bでの申告内容
GSTR-3Bでは、GSTR-1やGSTR-2Bの内容が自動的に転記される仕組みになっております。そのため基本的には追加でGSTR-3Bの申告時に記入する内容はありません。しかし、GSTR-2Bに記載されている仕入税額控除の内、まだ請求書を受領していない等でCGST法16条の規定する仕入税額控除の利用条件を満たさない場合には、自動転記されたGST-3Bの内容を修正する必要があります。
GSTR-3B申告の遅延に関する延滞利息及び遅延金
GSTR-3Bの申告の申告に際して当該対象期間のGST納税額を政府に納税する必要がありますが、この納税が遅延した際には延滞利息(Interest)が固定率18%/年(1.5%/月)で計算されます(CGST法第50条1項)。なお、2024年7月10日付の通知Notification No. 12/2024–Central TaxにてCGST法細則第88B条1項に但し書きが加筆され、GSTR-3Bの申告期日(翌月20日)以前に電子現金出納帳(Electronic Cash ledger)に納税額が反映されているものの、同金額のGSTR-3Bへの反映が翌月21日以降であった納税額に対しては延滞利息(Interest)は発生しないことを明らかにしました。つまり、ネットバンキング等を介した納税自体は申告期日前に完了しているものの、GSTR-3B自体の申告のみが遅延した場合には延滞利息は発生しないことになります。
またGSTR-3B自体の申告が遅延する場合には以下の遅延金(Late Fee)が日単位で課されます(同法第47条、 No. 76/2018 & No.19/2021– Central Tax)。
Nil申告以外の場合(2021年6月以降)
遅延金/日 |
最大遅延金額 (過年度の年間売上:~1,500万ルピー) |
最大遅延金額 (過年度の年間売上:1,500万~5000万ルピー) |
最大遅延金額 (過年度の年間売上:5,000万ルピー~) |
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CGST法 | 25ルピー | 1,000ルピー | 2,500ルピー | 5,000ルピー |
各州SGST法 | 25ルピー | 1,000ルピー | 2,500ルピー | 5,000ルピー |
合計 | 50ルピー | 2,000ルピー | 5,000ルピー | 10,000ルピー |
Nil申告の場合(2021年6月以降)
遅延金/日 | 最大遅延金額 | |
CGST法 | 10ルピー | 250ルピー |
各州SGST法 | 10ルピー | 250ルピー |
合計 | 20ルピー | 500ルピー |
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |