GSTの納税額の管理は電子化が進んでおり、GST納税者はGSTポータルと呼ばれる共通ポータルから、その月のGST納税額や利用可能な累積仕入税額控除額等を簡単に確認が可能です。GST登録者がGSTポータルから当該月のGST納税額を確認するために参照する一覧が、「納税義務の電子登録一覧(Electronic Liability Register)」です。なお、複数州でGST登録をしている納税者のGST納税額は州ごとで管理されるため、GSTポータルのログイン情報も州ごとに付与され、納税義務の電子登録一覧も州ごとに作成されます。
日本の消費税と同様でGSTでも仕入税額控除の仕組みがあり、仮受GST(Output GST)と仮払GST(Input GST)の差額が月次の納税額として納税義務の電子登録一覧に表示されます。なおこの納税義務の電子登録一覧はGSTポータルで閲覧可能な電子仮払GST台帳(Electronic Credit Ledger)や電子現金出納帳(Electronic Cash ledger)と密接に連携し、納税者のGST管理を簡素化しています。
納税義務の電子登録一覧(Electronic Liability Register)の詳細
納税義務の電子登録一覧はForm GST PMT-01という様式でGSTポータル上で確認ができます(CGST法第49条7項、CGST法細則第85条1項)。なお、納税義務の電子登録一覧の内容に不一致がある場合にはForm GST PMT-04にてGST当局まで通知する必要があります(CGST法細則第85条7項)。
月次のGST納税額、延滞利息、ペナルティ、遅延金、更正処分額等を含む、GST納税者に納税義務のあるすべての金額が納税義務の電子登録一覧には表示されます。
GSTR-3Bの月次申告の流れ
一般的な月次のGST納税及びGSTR-3B申告は、下記の流れで手続きが進みます。なお、GSTR-3Bの月次申告は下記の手順の4で納税義務の電子登録一覧の納税額が0になって始めて可能になるため、納税義務の電子登録一覧の確認は重要になります。
- 納税義務の電子登録一覧に表示された納税義務額の確認
- 納税義務額分の納税Challan(Form GST PMT-06)を作成し、GSTを納税する
- 納税額が電子現金出納帳(Electronic Cash ledger)に反映される
- GSTR-3B内の相殺機能(Set Off)にて「電子現金出納帳の納税済みGST額」と「納税義務の電子登録一覧の納税義務額」を相殺し、納税義務の電子登録一覧の納税額を0とする
- GSTR-3Bにて月次申告をする
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |