物品・サービスの提供に関するGST税率はHSNコード / SACに紐づける形で、GST協議会にて品目や取引ごとに設定されています。よって、GST登録者は提供する物品・サービスの該当HSNコード/SACを確認の上、どの税率で課税する必要があるか確認することになります。ただ、2種類以上の物品又はサービスを同時に提供する場合には、どのようにHSNコード/SACを選びGST税率を選択することになるのでしょうか?
例えば、ホテルに宿泊する場合には、宿泊サービスの提供だけでなく、食事サービスの提供も含まれている場合があり、2種類のサービスが1枚の請求書で請求されるのが一般的です。又はインドの最大の祝日シーズンであるDiwaliの時期に渡すギフトの中にはナッツや砂糖菓子が混ざって梱包されており、ひとつのパッケージの中に異なる複数種類の物品が混ざっているケースが多々あります。
複合供給(Composite Supply)とは?
CGST法第2条30項では、「複合供給(Composite Supply)とは課税対象者が受領者に対して行う供給であって、通常の事業過程において当然に束ねられ、互いに関連して供給される物品又はサービスまたはその両方またはそれらの組み合わせの2つ以上の課税供給からなり、そのうちの1つが主たる供給であるものをいう」と定義されています。この条文内には複合供給に関して、下記の例示が示されています。
商品が梱包され、保険とともに輸送される場合、商品、梱包材、輸送および保険の供給は複合的供給であり、商品の供給が主たる供給に当たる。
また複合供給の場合、主たる供給の物品・サービスの供給として扱われます(CGST法第8条)。よって、上記のホテルの宿泊サービスと食事サービスの例は複合供給に該当し、主たるサービスである宿泊サービスの提供であると扱われます。
混合供給(Mixed Supply)とは?
CGST法第2条74項では、「混合供給(Mixed Supply)とは課税対象者が単一の価格で行う2つ以上の物品又はサービスの供給、またはその組み合わせをいう」と定義されています。この条文内には複合供給に関して、下記の例示が示されています。
缶詰、菓子、チョコレート、ケーキ、ドライフルーツ、清涼飲料、果汁からなるパッケージを単一の価格で供給する場合は、混合供給となる。これらの品目はそれぞれ別々に供給することができ、他の品目に依存しない。なおこれらの品目が別々に供給される場合は混合供給とはならない。
また混合供給の場合、最高税率が適用される特定の物品・サービスの供給として扱われます(CGST法第8条)。よって、上記のDiwaliギフトの例は混合供給に該当し、Diwaliギフト内の最大税率の物品の提供と扱われます。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |