既存のインド法人へ取締役を追加する場合は、まず取締役識別番号（Director Identification Number - DIN）の取得が必要です。DIN取得の際には、以下必要書類と共に Form DIR-3を会社登記局へ提出し取得します。その後、DIN取得後 Form DIR-12にて会社登記局申請を行い取締役の就任を登記します。尚、通常取締役の追加には取締役会決議が必要となります。

＜必要書類＞

1. ID証明
2. 住所証明

＜必要情報＞

また現在、インド所得税法上全ての取締役にはPAN取得が義務付けられており、合わせて取得の手続きが必要となります。

会社設立時に居住取締役を会計事務所等に名義借りした場合は、駐在員赴任後に当駐在員を取締役を追加することがあります。ただ、その場合の取締役追加が行えるのは、事業開始届（Declaration for commencement of business: INC-20A）を会社登記局へ提出した後になりますので注意が必要です。

執筆・監修

鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki 名古屋大学工学部卒。米国公認会計士。2010年より足掛け10年インドへ進出する日本企業の拠点設立、会計、税務業務に従事。豊富な実務経験を活用し、複雑なインドの課題に対して各社に最適なソリューションを提供します。

新井 辰和 | Tatsuo Arai 慶應義塾大学商学部卒。日本公認会計士協会準会員。上場進出企業の月次・四半期連結決算対応からインドの税務まで幅広い分野を担当。専門知識と経験で、本社から見えにくい現地拠点の状況を透明性高く管理・サポートします。