インドでは、2013年インド会社法にて全ての事業体に法定監査が義務付けられています。加えて、事業所得を稼得しており、一定規模の総売上のある納税者は、インド勅許会計士による税務監査(Tax Audit)を受ける必要があります。税務監査の主な目的は、適切な所得税計算を行ったうえで、所得税申告を行わせることにあります。
税務監査の対象
税務監査は事業を営む納税者で、当該税務年度で事業に係る総売上や総受領高が1千万ルピー超の場合には、税務監査の対象となります(1961年インド所得税法第44AB条)(2025年インド所得税法第63条)。一方でこの適用基準は、以下のの要件をともに満たす場合には「総売上や総受領高が1千万ルピー超」から「総売上や総受領高が1億ルピー超」に緩和されます。納税者の現金取引を減らしたいという所得税当局の意図が見て取れます。
- 税務年度の現金収受が総売上額の5%以下である場合 かつ
- 税務年度の現金支払が総支払額の5%以下である場合
なお、専門職(Profession)を営む納税者でいずれかの税務年度で総受領高が5百万ルピー超の場合や、推定課税方式を適用する者で推定事業所得より低い金額で申告する者も、税務監査の対象となります。
税務監査の期日
税務監査の期日は法人税の所得税申告書の提出期限の1ヶ月前と設定されているため、インド国外関連者との国際取引のない会社の場合には9月30日、国際取引のある会社の場合には10月30日が期限となります。
税務監査を受けなかった者又は税務監査レポートの未提出者に対しては、税務調査官は総売上や総受領高の0.5%又は15万ルピーのいずれか低い方の金額をペナルティとして課すことができます(1961年インド所得税法第271B条)(2025年インド所得税法第446条)。
税務監査レポートの内容
以下のフォーマットでの税務監査レポート(Tax Audit Report - TAR)の提出が求められます(1962年インド所得税法規則第6G条)。
- インド所得税法以外の監査(2013年インド会社法での法定監査等)が義務付けられている者:Form No. 3CA
- それ以外の者:Form No. 3CB
また、上記のForm No. 3CA/Form No. 3CBに加えて、税務監査の明細書としてForm No. 3CDの提出も求められます。Form No. 3CDはPart A及びBの2部に区分され、Part Aでは会社の基本情報(商号、住所、納税番号等)、Part Bには会計上の利益から法人税上の所得への調整の詳細等が記載されます。
執筆・監修
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鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
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新井 辰和 | Tatsuo Arai |


