インドから法人の外国送金を行う際に銀行から提出が求められる書類の一つに、Form 15CA及びForm 15CBという書類があります。ただインド居住者である個人の海外送金に関してはインド準備銀行が提供する送金自由化スキーム(Liberalised Remittance Scheme - LRS)が適用され、年間25万USドルを超えない限り、Form 15CA及びForm 15CBの作成・取得は必要ありません(インド所得税法細則第37BB条3項i号)。なお、上記金額を超える場合事前にインド準備銀行(RBI)の承認が必要となります。
個人の海外送金は一部のインドローカル銀行ではネットバンキングを通して、銀行の窓口に行かずとも行うことができます。ただ、個人の海外送金を行う際には海外送金元の銀行から実務上、追加書類が求められる場合もあるため、詳細は個人口座を開設した各支店の担当者までお問い合わせください。
なお、過去にインドに駐在していたが既に帰任しており、現在はインド居住者でない方が、インドの銀行口座の残高をインド国外の銀行口座に海外送金するケースがあります。この場合は、NRO口座(非居住者口座)からの送金になり、送金自由化スキーム(Liberalised Remittance Scheme - LRS)は利用できずForm15CA及びForm15CBの準備をインドの銀行から求められます。Form15CA及びForm15CBを通してNRO口座の残高は、インドで適切に所得税を納税した後の残高であることを銀行に示すことになります。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |