日本法人(インド外国法人)のサービス提供がインド国内源泉の所得に該当するか否かは、下記2点の確認が必要です。
①インド国内法上での当該サービスの提供に対する取り扱い
②日印租税条約上で国内法と異なる取扱いがされているか否か
まずインド所得税法では、インド内国企業から受領する技術上の役務に対する対価(Fee for Technical Service - FTS)に関してはインド国内で発生した又は発生したとみなされる所得である(当インド内国企業がインド国外で行う事業に利用される又はインド国外で所得を得る目的で利用されるFTSの支払いを除く)と規定しているため(同法第9条1項vii号)、日本法人がインド内国法人に提供するFTSはインド国内源泉の所得となります。
次に日印租税条約を確認すると、"使用料及び技術上の役務に対する料金は、その支払者が一方の締約国又は当該一方の地方政府、地方公共団体若しくは居住者である場合には、当該一方の締約国内において生じたものとされる。"と規定しており(日印租税条約第12条6項)、技術上の役務に対する料金の源泉は支払者の所在国にあることとなります(債務者主義)。
よって、インド所得税法、日印租税条約ともに日本法人のFTSはインド国内源泉の所得になると規定しています。役務提供地(どの国でコンサルティングサービスが行われたか)は関係ないため、日本法人の従業員が訪印することなく、日本国内のみからオンライン等でコンサルティングサービス等のFTSを提供する場合であっても、インド国内源泉の所得となります。
なお、インド国内源泉の所得を有する日本法人は一定の場合を除きインドでの税務申告が必要となります。詳細はこちらの記事をご参照ください。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |