LTA (Leave Travel Allowance)とは、インド所得税法第10条(5)項及びインド所得税法細則第2B条に規定される、雇用主から従業員(定年退職した従業員も含む)に付与される休暇時の旅費交通費に関する手当です。この手当部分に関しては実際に支払った金額を上限として所得から控除されるため、給与構成の中にLTAを組み込むことで従業員の負担する所得税総額を軽減することが可能になります。
インドのLTAの利用条件
- 実際に旅費交通費を従業員が負担していること
手当として付与されたLTA額のうち、実際に休暇時の旅費交通費として発生した金額のみ非課税にすることが可能です。1万RsのLTAが付与されていた場合でも、実際の旅費交通費が8,000Rsであった場合は2,000Rs部分については課税されます。 - 国内の旅費交通費であること
海外旅行での旅費交通費はLTAを利用できません。また、インド国内旅行の場合であっても、飛行機、電車、バス等のチケット代はLTAに含まれますが、観光代やホテルの宿泊費はLTAには含まれません。 - 個人または家族との旅行であること
当該従業員1人または家族との旅行に関して発生した旅費交通費のみLTAは利用できます。尚、家族の定義は配偶者並びにその子供、そして両親、兄弟、姉妹又は一部・全額を不要する人物を含みます。
対象となる旅費の上限金額
- 航空便:目的地までの最短経路による国内航空会社のエコノミー運賃を超えない額
- 出発地と目的地が鉄道で結ばれており、かつ、その旅程が航空機以外の交通手段により行われる場合には、目的地までの最短経路による鉄道運賃(エアコン付き1等)を超えない額。
- 出発地と目的地またはその一部が鉄道で結ばれていない場合、免除対象額は以下のとおりとなる。
(A) 公認の公共交通機関が存在する場合は、目的地までの最短経路で当該交通機関を利用した場合の1等運賃またはデラックスクラス運賃を超えない額。
(B)公認の公共交通機関が存在しない場合は、最短経路による移動の距離について、鉄道で移動したものと仮定した場合のエアコン付き1等鉄道運賃に相当する金額。
インドのLTAの利用上限
連続する4年間を1ブロックと数え、1ブロックのうち2回まで利用が可能です。ブロックの設定は政府によって行われますが、「2014年-17年」「2018年-21年」「2019年-22年」のように毎年設定されております。そのため、2018年にLTAを1度利用していたとしても、「2019年-22年」の中で再度2回まで利用可能です。
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執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |