インド所得税法では二重課税の防止等のためインド政府と諸外国の政府が締結した租税条約の適用を認めています。納税者はインド国内法と租税条約のうち納税者にとって有利な方を選択することが可能です。なお、日本とインド間にも、日印租税条約が締結されています。
租税条約の適用のための必要書類
インド外国会社がインド内国会社に対してコンサルティングサービス等の一定のサービス提供を行い、その対価をインドから送金をうける際には、取引内容によってはインド側で源泉徴収税(Tax Deducted at Sources - TDS)が源泉徴収されます。このTDS率を決定する際に日印租税条約が規定する軽減税率を適用するためには、外国会社は以下の書類・情報をインドの取引先企業に提出する必要があります。
- Form 10F
- 居住者証明(Tax Residency Certificate - TRC)
- No PE Certificate
まず、日本法人は居住者証明を日本の税務局から取得する必要があります(1961年インド所得税法第90条4項)(2025年インド所得税法第159条8項a号)。次に、Form10F及びNo PE Certificateと呼ばれる書類にて納税者は居住地が日本であること及びインドに恒久的施設(Permanent Establishment - PE)を保持していないことも併せて宣言する必要があります(1962年所得税法規則第21AB条)。なお、Form10Fはインドの所得税ポータルで電子申告する必要があります。
インドでの所得税申告義務
日印租税条約の規定するTDS税率を使用する場合には、外国会社がインドで所得税申告をする義務を負うため注意が必要です。インドでの所得税申告義務が生じるのを回避するためには、日印租税条約のTDS率でなく、1961年インド所得税法第115A条 / 1961年インド所得税法第207条の規定するTDS率で源泉徴収の上、対価を海外送金してもらうよう取引先のインド企業に依頼する必要があります。詳細はこちらをご参照ください。
執筆・監修
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鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
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新井 辰和 | Tatsuo Arai |


