インドにおける公開会社とは以下の非公開会社に該当しない会社を指し、いわゆる日本の公開会社（上場会社）とは異なる定義が会社法上されています。非公開会社（Private Company）は、定款上株式譲渡や株主数などに一定の制限を規定している会社です。以下の非公開会社の要件を満たさない会社は公開会社（Public Company）としてみなされます。

インドの非公開会社の要件

• 株式の譲渡を制限している
• 株主の人数が2名以上、200名以下
• 株式・社債の公募を禁止している

公開会社（Public Company）は、株式・社債の公募が可能で株式市場への上場も可能です。一方で、非公開会社と比較し求められるコンプライアンスは広範にわたります。通常は、そのようなコンプライアンス負荷を軽減するため非公開会社としてインド子会社を設立するのが一般的です。

インドのみなし公開会社（Deemed Public Company）

公開会社の子会社は、非公開会社の要件を満たしていても「みなし公開会社」として公開会社と同等のコンプライアンスが義務付けられる場合があります。尚、外国企業（上場企業）の100％子会社は、みなし公開会社とはみなされません。

公開会社のコンプライアンス負荷は非常に高いため、非公開会社にも関わらず「みなし公開会社」と見做されてしまった場合には非公開会社化を検討するのも一つの選択肢となります。

執筆・監修

鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki 名古屋大学工学部卒。米国公認会計士。2010年より足掛け10年インドへ進出する日本企業の拠点設立、会計、税務業務に従事。豊富な実務経験を活用し、複雑なインドの課題に対して各社に最適なソリューションを提供します。

新井 辰和 | Tatsuo Arai 慶應義塾大学商学部卒。日本公認会計士協会準会員。上場進出企業の月次・四半期連結決算対応からインドの税務まで幅広い分野を担当。専門知識と経験で、本社から見えにくい現地拠点の状況を透明性高く管理・サポートします。