インド企業省（Ministry of Corporate Affairs - MCA）は、2020年3月23日通達（No. 10/2020）を発しCSR活動に関する拠出金の使途として、COVID-19も含めると発表しました。CSR活動として認められる内容はインド会社法別表7に以下の通り記載されています。

1. 極度の貧困と飢餓の撲滅、公衆衛生と安全な飲料水の確保

2. 子供、女性、高齢者、障がい者向けの職業能力向上・特別教育などの教育促進

3. ジェンダー平等・女性エンパワーメントの推進、女性・孤児用の家・ホステルの設立、高齢者向け老人ホーム・デイケアセンターの設立、社会的・経済的弱者向けの措置

4. 環境の持続可能性、生態学的バランス、動植物の保護、動物福祉、アグロフォレストリー、天然資源の保護、土壌、空気、水の質の維持

5. 国家遺産、芸術、文化の保護。これには、歴史的に重要な建物や場所、芸術作品の修復が含まれます。公共図書館の設置;伝統芸術と手工芸品の振興と発展

6.  退役軍人、戦争未亡人およびその扶養家族の利益のための措置

7. 地方スポーツ、全国的に認知されたスポーツ、パラリンピックスポーツ、オリンピックスポーツを促進する訓練

8. 首相の国家救済基金または中央政府が設立したその他の基金への拠出。

9. 中央政府または州政府、または中央政府または州政府の任意の機関または公的機関による資金提供を受けたインキュベーターへの寄付（公立大学、インド工科大学（IIT）等）

10.  農村開発プロジェクト

11. スラム地域開発

12. 救援、リハビリ、復興活動を含む災害管理

通達では、COVID-19関連の支出は上記の項目のうち、1番目又は12番目の項目に該当し企業は、予防・公衆衛生を含むヘルスケアの促進に関する費用に拠出できると発表されています。

執筆・監修

鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki 名古屋大学工学部卒。米国公認会計士。2010年より足掛け10年インドへ進出する日本企業の拠点設立、会計、税務業務に従事。豊富な実務経験を活用し、複雑なインドの課題に対して各社に最適なソリューションを提供します。

新井 辰和 | Tatsuo Arai 慶應義塾大学商学部卒。日本公認会計士協会準会員。上場進出企業の月次・四半期連結決算対応からインドの税務まで幅広い分野を担当。専門知識と経験で、本社から見えにくい現地拠点の状況を透明性高く管理・サポートします。