源泉徴収者は源泉徴収証明書（Form 16 & Form 16A）を被源泉徴収者に対して発行する義務があります（インド所得税法第203条、インド所得税法細則第31条）。源泉徴収者は税務当局の源泉徴収税のWEBページ（TRACES portal）より源泉証明書をダウンロードすることが可能です。Form16は給与所得に関する源泉徴収証明書、Form16Aは給与所得以外に関する源泉徴収証明書になります。

　被源泉徴収者は源泉徴収者から源泉徴収証明書を受け取ることにより、適切に源泉徴収税（Tax Deducted at Sources - TDS）の納付及び申告が行われたことを確認することができます。源泉徴収者は1年に1度、翌年の6月15日にまでに被源泉者に源泉徴収証明書（Form 16）を交付する必要があります。また給与以外の支払いに関しては四半期に1度、下記の申告期限日より15日以内に源泉徴収証明書（Form 16A）を被源泉側に交付する必要があります（インド所得税法細則第31条）。

対象時期	申告期限（インド所得税法細則第31A条）
第1四半期（4-6月期）	7月31日
第2四半期（7-9月期）	10月31日
第3四半期（10-12月期）	1月31日
第4四半期（翌年1-3月期）	5月31日

 

執筆・監修

鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki 名古屋大学工学部卒。米国公認会計士。2010年より足掛け10年インドへ進出する日本企業の拠点設立、会計、税務業務に従事。豊富な実務経験を活用し、複雑なインドの課題に対して各社に最適なソリューションを提供します。

新井 辰和 | Tatsuo Arai 慶應義塾大学商学部卒。日本公認会計士協会準会員。上場進出企業の月次・四半期連結決算対応からインドの税務まで幅広い分野を担当。専門知識と経験で、本社から見えにくい現地拠点の状況を透明性高く管理・サポートします。