2013年インド会社法(第2条41項)では、会計年度(Financial Year)は4月1日~翌年3月31日と定められています。一方で、インド国外に設立された親会社との連結決算のため異なる会計年度を採用する必要のある会社については、会社登記局地区長官(Regional Director - RD)を通じて会計年度の変更を申請することが可能です。
決算期の変更が認められるケースとは?
以下の2つの要件を満たす場合には、会計年度(決算期)の変更を申請することが可能です。
- 親会社又は子会社がインド国外に存在している。
- 上記会社が異なる会計年度を採用しており、連結財務諸表を作成するため決算期を統一する必要がある。
設立初年度の特例(1月1日~3月31日の期間に設立された会社のみ)
1月1日~3月31日の間に設立された会社は、特別に設立日~翌年3月31日の最大15ヶ月間の会計期間を選択することが可能です。
決算期変更手続きの流れ
- 取締役会にて決算期変更を決議。
- 会社登記局地区長官(Regional Director - RD)に対して、会社登記局ポータルサイトを通じて決算期変更の申請書(e-form RD-1)を提出。
- 申請内容に対して追加の情報が必要な場合には、15日以内に様式(e-form RD-GNL-5)にて提出を行う。
- 申請内容に不備がなく、当局に申請内容が受理された後、当局より決算期変更の許可通知(Order)が発せられる。
- 当該許可の通知を、30日以内に会社登記局サイトへ様式(INC-28)をアップロードし完了する。
所得税法上の取り扱い
インド所得税法上、税務年度は4月1日~翌年3月31日と定められています。尚、税法上は年間の売上高が1000万ルピーを超えた場合、税務監査(Tax Audit)が義務付けられており法定監査(Statutory Audit)と合わせて受けなければなりません。
※現在は一定の金額と取引内容の要件を満たした場合、一部適用要件が緩和されています。
実務上は、前述の通り会計年度と税務年度で異なる期間を設定すると、2種類の監査を別々に受けなければならず負担が大きくなります。よって、決算及び監査を2度受ける手間を省くため、4月1日~翌年3月31日の期間に統一する会社が多くなっています。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |