臨時納税者(Casual Taxable Person)
臨時納税者(Casual Taxable Person)とは、固定の事業所(Fixed Place of Business)を有しない州から、一時的に、事業のために物品・サービス供給を伴う取引を請け負う者と定義されています(CGST法第2条20項)。たとえば、デリー州でGST登録をしているGST登録者がデリー州以外の州に固定の事業所(Fixed Place of Business)を有していないものの、短期的に供給を行いたい場合に当州で臨時納税者(Casual Taxable Person)の登録を行うことになります。
なお、臨時納税者(Casual Taxable Person)は通常のGST登録者と同様でGSTR-1やGSTR-3Bでの月次申告が求められます(CGST法第37条1項、CGST法第39条1項)。
非居住納税者(Non-Resident Taxable Person)
非居住納税者(Non-Resident Taxable Person)とは、インド国内に固定の事業所(Fixed Place of Business)や住居を有しないものの、時折、物品・サービス供給を伴う取引を請け負う者と定義されています(CGST法第2条77項)。たとえば、インド国外の外国法人がインド国内に固定の事業所(Fixed Place of Business)を有していないものの、物品をインド国外から輸入し、短期的にインド国内で供給を行う場合に非居住納税者(Non-Resident Taxable Person)の登録を行うことになります。なお、非居住納税者(Non-Resident Taxable Person)のは臨時納税者(Casual Taxable Person)と異なり”事業のために”行う供給である要件は、求められておりません。
なお、非居住納税者(Non-Resident Taxable Person)にはGSTR-1やGSTR-3Bでの月次申告が求められません(CGST法第37条1項、CGST法第39条1項)。一方で、翌月の13日又は登録期間の最終日から7日のいづれか早い日付までにGSTR-5にて、売上供給、仕入れ等に関する税務申告が求められます(CGST法第39条5項、CGST法細則第63条)。GST納税額、延滞利息、ペナルティ等はGSTR-5の申告前までに納税が必要です。
GST登録
臨時納税者(Casual Taxable Person)や非居住納税者(Non-Resident Taxable Person)の場合は、総売上(Aggregate Turnover)に関係なく、事業をはじめる遅くとも5日前までにGST登録を申請する必要があり(CGST法第24条、第25条1項但し書き)、GST登録証明書が発行されて初めて課税供給(Taxable Supply)を行うことができるようになります。またGST登録証明書は、証明書内に記載の期日又は90日のいずれか短い期間のみ有効です(CGST法第27条1項)。さらに、GST登録にあたっては、推定されるGST納税額分と同額の預託が求められます(CGST法第27条2項)。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |