従業員への福利厚生の一環として住宅手当を付与することがありますが、手当は主に下記の2種類があります。駐在員に付与される住宅手当はRFAであることが一般的ですが、HRAとRFAで賃貸契約の契約主や給与所得及び税金の計算が異なるので注意が必要です。
インドの住宅手当(House Rent Allowance - HRA)
賃貸契約を従業員自身で締結するものの、家賃の一部を会社側が負担する場合にはHRAに該当します。HRAの金額は給与構成の一部に含めることで、会社は従業員に対して一定額を非課税の給与所得として支給することができます(1961年インド所得税法第10条13A項)(2025年インド所得税法スケジュールⅢ No.11)。そのため、実務上はCTC(Cost to Company)の約25%をHRAとして給与明細に織り込むが多く見られます。なお従業員が個人所得税の計算時に、1961年インド所得税法第115BAC条 / 2025年インド所得税法第202条の規定する新税率を選択している場合には、非課税とはなりません。
非課税となる金額は以下の3つの項目のうち、最も少額の金額です(1962年インド所得税法規則第2A条)(2026年インド所得税法規則第279条)。
a) 実際に支給されたHRA
b) 実際に支払っている家賃-基本給等の10%
c) 基本給等の50%(住宅がムンバイ、コルカタ、デリー、チェンナイ、ハイデラバード、プネ、アーメダバード、バンガロールにある場合)又は40%(住宅がその他の都市にある場合)
インドの借り上げ社宅(Rent Free Accommodations - RFA)
会社が賃貸契約を結んでいる社宅を従業員に支給する場合は、RFAに該当します。HRAと異なり、RFAの金額は給与明細の項目には含まれず、非課税枠もありません。RFAは、給与とは別の福利厚生(perquisite)として支給されます(1961年インド所得税法第17条2項i,ii号)(2025年インド所得税法第17条1項a,b号)。
RFAが支給される場合、給与所得として計算される金額は下記の通り計算されます(1962年インド所得税法規則第3条1項)(2026年インド所得税法規則第15条2項)。
a) 社宅が会社によって所有されている場合
| 家具なしの場合 | 家具が付与される場合 |
| 2011年の国勢調査で人口が400万人を超えている都市:給与やボーナス等の合計額の10% | 左記の金額に加えて、家具費用の10%/年を追加または家具を第三者からレンタルしている場合にはその費用を追加 |
| 2011年の国勢調査で人口が150万人を超えているが400万人は超えていない都市:給与やボーナス等の合計額の7.5% | |
| 2011年の国勢調査で人口が150万人を超えていない都市:給与やボーナス等の合計額の5% |
b) 社宅が会社によってリース又は賃貸されている場合
| 家具なしの場合 | 家具が付与される場合 |
下記のうちいずれか小さい金額 ・実際に会社が支払う又は支払っている家賃 ・給与やボーナス等の合計額の10% | 左記の金額に加えて、家具費用の10%/年を追加または家具を第三者からレンタルしている場合にはその費用を追加 |
c) 会社が宿泊施設としてホテル代する負担場合(従業員の移動に伴う15日を超えない宿泊は除く)
下記のうちいずれか小さい金額
・実際に会社が支払う又は支払っているホテル代
・給与やボーナス等の合計額の24%
執筆・監修
|
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
|
新井 辰和 | Tatsuo Arai |


