間接税・関税中央委員会(Central Board of Indirect Taxes and Customs -CBIC)は2020年5月16日付で通達(No.43/2020)を発し、2020年財政法で提案されていた通り、2017年CGST法第140条を遡及的(2017年7月1日から)に変更しました。
背景
CGST法第140条では、旧間接税法からGST法への仕入れ税額控除金額の移管(Transitional Tax Credit)を扱っています。一部の納税者は、2017年のGST移行期間中に何らかの理由で、仕入れ税額控除金額の移管の手続きに必要なForm TRAN-1を期限内(2017年12月27日迄)提出することができなかったため、当該金額を失いGST法下で過去支払った分の仕入れ税額控除が取れないことが問題になり、各地で税務当局との係争が行われていました。
その結果として、パンジャブ、ハリヤナ高等裁判所等では納税者に有利な判決として、上記期限を過ぎてもTransitional Tax Creditは納税者の権利であり失われないと示しました。第140条は仕入れ税額控除金額の移管について触れていますが、その期限については明示していないことからインド所得税局は2017年7月1日より遡及して3年間という期限を定める変更が2020年財政法で提案されていました。
今後の影響
今般の改正により、州政府は旧間接税法における仕入れ税額控除金額をGST法における仕入れ税額控除に移行可能な期間を規定することが可能になります。本改正は現在係争中の多くの案件に対し影響が及ぶ可能性があると考えられます。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |