インド会社法における定款は、基本定款(Memorandum of Article - MOA)と付属定款(Association of Article - AOA)の2種類の文書で構成されています。通常はMOA、AOAなどと略して呼ばれます。法人設立登記の際には、それぞれの定款の最終ページに発起人として各株主が署名を行い、登記書類の一部として会社登記局(Registrar of Company - ROC)へ提出されます。
取締役会が会社を運営していく際に、重要となる事項は基本的に定款に網羅されています。会社法では付属定款のひな形が定められており、法人設立の際にはそのひな形の項目を網羅した形式で作成するのが一般的ですが、必ずしも全項目を網羅する必要性はありません。但し、定款に定めのない事項についてはひな形で設定されている内容が効力を発することと定められています。また会社法は、定款の内容に優先することが規定されていますので、会社法の内容と反する内容を規定することはできません。
基本定款で定められている事項
- 商号
- 登記住所
- 主たる事業目的
- 授権資本額
付属定款で定められている事項
- 株式
- 株主総会
- 取締役会
- 配当
- その他
基本定款・付属定款で定められた内容を変更する際には、株主総会の決議(普通又は特別)が必要となります。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |