2020年破産・倒産法改正法令（The Insolvency and Bankruptcy Code (Amendment) Ordinance, 2020 （Ordinance)）が2020年6月5日に施行されました。

現行の2017年破産・倒産法では、10万ルピー以上の債務不履行（デフォルト）があった場合、債権者は会社法審判所（National Company Low Tribunal - NCLT）へ倒産開始手続きの申し立てを行うことが可能です。本改正法令では、ロックダウン以降発生する倒産に対して、一定の無効期間を設けています。

本改正法令で追加された第10A条により、第7条、9条及び10条が一時無効化され、2020年3月25日から6か月間（1年間を最長とし延長）、当該期間に発生した債務不履行に対しては債権者及び法人債権者の有する倒産開始手続きを申し立てする権利が無効となります。

但し、2020年3月25日より以前に生じた債務不履行に対する倒産開始て手続きに関しては、同法第10A条は適用されず、通常通り申し立てすることが可能です。

執筆・監修

鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki 名古屋大学工学部卒。米国公認会計士。2010年より足掛け10年インドへ進出する日本企業の拠点設立、会計、税務業務に従事。豊富な実務経験を活用し、複雑なインドの課題に対して各社に最適なソリューションを提供します。

新井 辰和 | Tatsuo Arai 慶應義塾大学商学部卒。日本公認会計士協会準会員。上場進出企業の月次・四半期連結決算対応からインドの税務まで幅広い分野を担当。専門知識と経験で、本社から見えにくい現地拠点の状況を透明性高く管理・サポートします。