GSTR-1やGSTR-3Bを申告する際には、納税者が申告内容を認証(Authentication)した後に申告が完了します。認証方法はCGST法細則第26条で規定されており、電子署名証書(Digital Signature Certificate - DSC)、2000年情報技術法(The Information Technology Act, 2000)の定める電子署名(E-signature)又はその他GST当局の定める方法で認証します。
コロナ禍での対応
間接税・関税中央委員会(Central Board of Indirect Taxes and Customs - CBIC)は2020年6月19日付で通達 Notification No. 48/2020 – Central Taxを発し、電子確認コード(lectronic Verification Code -EVC)でのGSTR-1及びGSTR-3Bを2020年9月30日まで可能としました。
EVCとはいわゆるOTP認証のことです。通常はGST月次申告の際には電子署名証書(Digital Signature Certificate - DSC)を使用し認証しますが、多くの企業がDSCをオフィスで保管していることからコロナ禍の状況で出勤の必要性をなくすため、今回新たに認められた手続きです。申告書提出時に登録された署名権限者の登録携帯番号へ認証用OTPが配信され、それをGSTポータル上で照合することでEVCでの認証が完了します。よってEVCを利用することで新型コロナウイルスの影響でオフィスに行けない会社も月次申告が可能となります。
その後、CBICは2021年8月29日付で通達 Notification No. 32/2021 – Central Taxを発行し、EVCでのGSTR-1及びGSTR-3Bの認証を2021年10月31日まで延長しました。2023年12月時点では、EVCでの認証に関するその後のさらなる延長については発表されていないようですが、GSTポータル上でEVCにてGSTR-1及びGSTR-3Bの認証を行うシステムが実装されております。そのため、実務上はEVCでの認証が2023年12月時点でも引き続き利用可能ですが、追加の通達の発行があるかも併せて今後注視していく必要があります。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |