間接税・関税中央委員会（Central Board of Indirect Taxes and Customs - CBIC）は2020年8月25日付で通達（No.63/2020）を発し、CGST法第50条1項に修正を加えGSTの延滞利息（Interset）に関する文言を追加しました。

　これまで、CGST法第50条1項には延滞利息の利率は18% と記載されていますが、何に対して18％の利息が発生するのか明記されていませんでした。そのため仮受GST（Output GST）であるGST総額と仕入税額控除後の純額であるGST納税必要額のどちらを基に利息が計算されるのか意見が割れており紛争の原因の一つとなっていました。

　2020年3月14日付けの第39回GST評議会（GST Council）にて、利息は仕入税額控除後のGST純額を基に計算されるという見解が出されており、今回のCGST法第50条1項の修正にて、納税が遅れた場合でも対象期間のGST申告（GSTR-3B）を行っている場合は仕入税額控除後の純額であるGST納税必要額に対して利息が発生する旨が明記されました。これにより今後は、仕入税額控除前の仮受GST総額を利息の計算根拠とするような不当な税務当局の要求はなくなり、紛争のリスクが軽減されます。

執筆・監修

鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki 名古屋大学工学部卒。米国公認会計士。2010年より足掛け10年インドへ進出する日本企業の拠点設立、会計、税務業務に従事。豊富な実務経験を活用し、複雑なインドの課題に対して各社に最適なソリューションを提供します。

新井 辰和 | Tatsuo Arai 慶應義塾大学商学部卒。日本公認会計士協会準会員。上場進出企業の月次・四半期連結決算対応からインドの税務まで幅広い分野を担当。専門知識と経験で、本社から見えにくい現地拠点の状況を透明性高く管理・サポートします。