通常インド人従業員の給与を交渉・決定する際に、CTC(Cost to Company)と呼ばれる支給総額を交渉します。CTCとは、会社としていくら従業員のコストを負担するかという考え方で、そこから各種福利厚生・社会保障関連費用を差し引いた金額を実際に支給します。実際に支給される金額は、Take home salaryと呼ばれいわゆる手取り額となります。インドでも法律で定められた税控除可能な手当てがありますので、支給総額は同額でも支給名目を変更することにより税額控除を受けることが可能となり手取り額を最大化することが可能です。
一般的には、まず全体の5~6割の金額を基本給として設定し、残りの給与額を各種手当に充て、最終的に残った金額を特別手当として支給します。給与構成次第で従業員の手取り額を大きくすることが可能なので、従業員のモチベーションアップにもつながります。また支給総額が小さな従業員ほどその影響も大きくなります。
※2019年賃金法(Code on Wages, 2019)では、一定の手当の総額が報酬総額の50%を超える場合は、その超過分は賃金(wages)に含めてると規定されています。賃金(wages)をもとにEPFや退職金は計算されるため、賃金(wages)の金額は重要となります。
給与構成の項目と税務上の取り扱い
| 項目 | 税務上の取り扱い | ポイント |
| 基本給(Basic Salary) | 課税 | 一般的には、全体の給与(Cost To Company-CTC)の4~6割の金額を充てる。 |
| 住宅手当(House Rent Allowance-HRA) | 非課税 | 以下の3つの項目のうち、最も少額の金額が控除可能。 a) 実際に支給されたHRA b) 基本給の50%(ムンバイ、デリー、コルカタ、チェンナイのみ)又は40%(その他の都市) c) 実際に支払っている家賃-基本給の10% |
| 食事手当(Meal) | 非課税 | 一営業日一食Rs. 200/- まで控除可能。勤務時間8時間(二食)の場合、Rs. 400/- × 営業日数が月額控除可能金額。 |
| 特別手当(Special) | 課税 | 上記の項目を設定した残額を設定。 |
なお、上記の非課税は、1961年インド所得税法第115BAC条 / 2025年インド所得税法第202条の規定する新個人所得税率を選択適用する納税者には適用にならない点に注意が必要です。
■計算例
総額月額Rs. 50,000/-、グルガオン勤務とした場合の、給与構成例は以下の通りとなります。
| 項目 | 金額 |
| 基本給(Basic) | Rs. 25,000/- |
| 住宅手当(House Rent Allowance-HRA) | Rs. 12,500/- |
| 食事手当(Meal) | Rs. 8,800/- |
| 特別手当(Special) | Rs. 3,700/- |
| 合計 | Rs. 50,000/- |
執筆・監修
|
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
|
新井 辰和 | Tatsuo Arai |


