Aadhaar(アダール/アドハー)は、ヒンディー語で”基礎”、”礎”を意味します。近年インド政府は、国民の管理を目的として、広く、当該認証システムの普及を目論んでいます。特徴的な点として、ID登録の際に指紋と虹彩認証を含めた生体認証データを提出しなければならない点があげられます。Aadhaar導入当初の目的は、中間で搾取されがちな政府補助金(灯油、食料、LPG)を末端の最終受給者までいきわたらせることであったが、現在では銀行口座や携帯電話など生活に必要なインフラへの紐づけが義務付けられており、大多数のインド人と居住者の外国人も取得するようになっています。
1. Aadhaar(アダール/アドハー)カードは取得が必要なのか?
法的にはAadhaar取得は任意であるが、現状、各種行政サービス、銀行・通信の各種インフラの使用時にAadhaar番号情報の提出(リンク)が必要とされており、実質的には取得義務となりつつあります。
Aadhaar申請時に過去1年間に182日以上インド居住者であることを確認されるが、新規に赴任した駐在員などはすぐに取得することができないため、自身の銀行口座や携帯番号とのAadhaar番号連動などは実質不可能であり、制度的な矛盾が生じています。
尚、各携帯通信会社(Airtel, Vodafone, Reliance)のAadhaar番号提出期限は2018年2月6日となっています。
※2017年12月1日時点
2. Aadhaar(アダール/アドハー)カードはどこで取得できるのか?
Aadhaarは金融機関・郵便局もしくは公認のセンターで取得が可能である。現状どの登録機関が稼働しているかは、以下の管轄機関、インド固有識別番号局(Unique Identification Authority India - UIDAI)のホームページから確認することができます。尚、金融機関に関しては、下記ホームぺージに記載がない場所でも申請を受け付けていることもあり、駐在員間の情報交換を通じて、申請可能場所の情報を得る手段もあります。
インド固有識別番号局
https://appointments.uidai.gov.in/easearch.aspx
※上記ページで住所を選択すると最寄りの申請場所が自動で表示される。
尚、様々な理由(担当者が休み、機械が故障している等)で、目指した申請場所で申請を行えないこともあります。そのため、取得の際には、予め数か所は訪問するつもりで最寄りの第2、第3の候補を想定しておくとよいでしょう。
3. 申請手続きの流れ
いずれの申請においても、Aadhaar申請用紙、写真付ID、住所証明の3点が必要とます。各書類の詳細は次の項目にて詳細を記述します。手続きの流れは以下の通りです。
<申請手続きの流れ>
- 提出書類3点の確認
- 親指以外の指紋の採取(片手ずつ行う)※4本の指を揃えてスキャナーに置く
- 親指の指紋の採取(両手の親指を並べて置く)
- 虹彩スキャン(スコープを顔から少し距離を話して覗く)
- 各種個人情報の入力(担当者が端末に入力し、それを確認)
- 申請番号(Enrollment No.)の発行
※申請完了後、A4一枚の申請情報を記載した受領書が発行される。Enrollment No.と申請日時にて後日申請ステータスが確認可能である。
申請を行う順番待ちでそれなりの時間を要するが、申請手続きはそれほど複雑ではありません。最初の受付以外は相当の待ち時間を要するので、朝いちで申請に行くことをお薦めします。代表の鈴木は10時受付開始に到着し、整理番号は15番目であったにも関わらず、手続きが完了したのは午後2時頃でした。
4. 申請に必要な書類
- Aadhaar申請用紙
申請書は以下のUIDAIのホームぺージからダウンロード可能である。
https://uidai.gov.in/resources/enrolment-docs/downloads.html
事前に申請書をダウンロードして記入したうえで持参すると申請がスムーズになる。申請場所によっては申請書を備え置いてない場合も考えられるので、事前に用意する方が無難である。 - 写真付きID
UIDAIに認められている書類の一覧は以下の通りである。一般的には、PANカードもしくはパスポートを持参する。ただし、担当官によって持参したIDを認めない場合も想定されるため、複数のIDを持参することをお薦めする。
1. Passport
2. PAN Card
3. Ration/ PDS Photo Card
4. Voter ID
5. Driving License
6. Government Photo ID Cards/ service photo identity card issued by PSU
7. NREGS Job Card
8. Photo ID issued by Recognized Educational Institution
9. Arms License
10. Photo Bank ATM Card
11. Photo Credit Card
12. Pensioner Photo Card
13. Freedom Fighter Photo Card
14. Kissan Photo Passbook
15. CGHS / ECHS Photo Card
16. Address Card having Name and Photo issued by Department of Posts
17. Certificate of Identify having photo issued by Gazetted Officer or Tehsildar on letterhead
18. Disability ID Card/handicapped medical certificate issued by the respective State/UT Governments/Administrations - 住所証明
UIDAIに認められている書類の一覧は以下の通りである。住所証明は、いずれの書類を認めるかはかなり担当官によりばらつきがあり、複数の書類をバックアップで持参することをお薦めする。例として、自宅住所の記載のある銀行明細、携帯電話請求書、公共料金明細、もしくは15番の会社レターヘッドで発行する写真付きの住所証明があげられる。公共料金明細は自身の名義でない場合受け付けてもらえない可能性があり、会社レターヘッドの住所証明を最終手段として必ず持参することをお薦めする。
1. Passport
2. Bank Statement/ Passbook
3. Post Office Account Statement/Passbook
4. Ration Card
5. Voter ID
6. Driving License
7. Government Photo ID cards/ service photo identity card issued by PSU
8. Electricity Bill (not older than 3 months)
9. Water bill (not older than 3 months)
10. Telephone Landline Bill (not older than 3 months)
11. Property Tax Receipt (not older than 1 year)
12. Credit Card Statement (not older than 3 months)
13. Insurance Policy
14. Signed Letter having Photo from Bank on letterhead
15. Signed Letter having Photo issued by registered Company on letterhead
16. Signed Letter having Photo issued by Recognized Educational Institutions on letterhead
17. NREGS Job Card
18. Arms License
19. Pensioner Card
20. Freedom Fighter Card
21. Kissan Passbook
22. CGHS / ECHS Card
23. Certificate of Address having photo issued by MP or MLA or Gazetted Officer or Tehsildar on letterhead
24. Certificate of Address issued by Village Panchayat head or its equivalent authority (for rural areas)
25. Income Tax Assessment Order
26. Vehicle Registration Certificate
27. Registered Sale / Lease / Rent Agreement
28. Address Card having Photo issued by Department of Posts
29. Caste and Domicile Certificate having Photo issued by State Govt.
30. Disability ID card/handicapped medical certificate issued by respective State/UT Governments/Administrations
31. Gas Connection Bill (not older than 3 months)
32. Passport of Spouse
33. Passport of Parents (in case of Minor)
34. Allotment letter of accommodation issued by Central/State government of not more than 3 years old
35. Marriage Certificate Issued by the Government containing address
5. 申請にかかる費用
自身で申請に赴く場合、申請にかかる実費は無料であるが、各種公共機関に提出が義務付けられていることに便乗して、費用を請求するケースが散見されます。大体のケースが100~500ルピ―程度であるが、悪質なケースでは数千ルピーを請求するケースも見受けられます。
手続きには必ず自身が赴かなければならないので、エージェント(付添人)を利用するメリットはあまりありません。エージェントを利用した場合、申請とは別の費用が必要となります。
6. 申請後の流れ

申請後、Enrollment IDという14桁の申請番号と申請時刻を記載したA4の書類を受領します。
申請後からAadhaar番号発行まではおよそ1週間程度で番号が付与されます。
番号発行のステータスはAadhaarのポータルサイトから確認が可能である。右記の通り"Check Aadhaar Status"というページにアクセスして受領した14桁のEnrollment IDと申請時刻を打ち込むとステータスが表示されます。
Aadhaarのポータルサイトはこちら ⇒ https://uidai.gov.in/

Aadhaar番号が無事に付与されると左のページが表示され、E-Aadhaarという電子形式(PDF)でダウンロード可能になります。

ダウンロード画面は右記の通り。14桁のEnrollment IDと申請時刻のデータを入力しダウンロードします。ダウンロードする際にOTP(One Time Password)が登録した携帯で受信する必要があるので注意が必要です。
執筆・監修
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鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
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新井 辰和 | Tatsuo Arai |