日本政府は2016年11月10~12日のインドモディ首相の日本訪問のタイミングで、原子力協定に署名する方針を決定しました。日本としては15ヵ国目、非拡散防止(NPT)非加盟国とは初の締結となります。
インドでは現在21基の原子力発電所が稼働し、更に6基の原発が建設中です。燃料ウランの供給や発電所建設のための技術協力など、海外諸国との原子力協力は欠かせません。
1974年の核実験後凍結されていた、日本との原子力協力は2008年に仏・米が原子力協定を締結したのを契機に、2009年の日印首脳会談において協力が言及され2010年より交渉が再開されました。過去にインドで建設が決定している仏・露・米の原子力発電所においても、日本製資材が使用されていることからその資材輸入のためにも早期の日印原子力協定締結が期待されていました。
2015年に安倍首相がニューデリーを訪問した際の首脳会談で、原則合意に至っていました。モディ首相も、日本企業の新たなビジネスチャンス創出(原子力発電所・資材の輸出)になると述べています。
<原子力関連企業>
- 三菱重工業(原子力発電プラント)
- 東芝(原子力発電プラント)
- 日立(原子力発電プラント)
- 西華産業(各種バルブ・ポンプをはじめ侵入警戒装置など)
- 東京産業(放射能汚染物質除染減容システム)
- 東芝プラントシステム(建設・エンジニアリング)
- 太平電業(建設・メンテナンス)
- 東亜バルブエンジニアリング(原子力発電用弁)
- 日本ギア工業(バルブ開閉装置)
- 宇徳(設備の輸送・据付・メンテナンス)
- IHI(圧力容器、格納容器、配管システム)
- 木村化工機(燃料輸送容器)
- 日本製鋼所(原子炉容器と蒸気発生装置)
<日本が参加する原子力協定>
- 日米原子力協定(1968年)
- 日英原子力協定(1958年)
- 日加原子力協定(1960年)
- 日豪原子力協定(1972年)
- 日仏原子力協定(1972年)
- 日中原子力協定(1986年)
- 日本欧州原子力共同体(EURATOM)原子力協定(2006年)
- 日本カザフスタン原子力協定(2011年)
- 日韓原子力協定(2012年)
- 日本ベトナム原子力協定(2012年)
- 日本ヨルダン原子力協定(2012年)
- 日露原子力協定(2012年)
- 日・アラブ首長国連邦原子力協定(2014年)
- 日・トルコ原子力協定(2014年)
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |