PAN、DSC、DINの添付書類や会社設立書類などのインド国外で発行又は作成した書類をインド当局に提出する際に、それらの書類に対して公証・認証の付与が必要になります。書類については各書類原本又は日本語原本とその英訳文を一まとめにし、公証役場にて公証と外務省の認証(アポスティーユ)取得する必要があります。
ただ日本はハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)に加盟しているため、日本では外務省のアポスティーユを取得すれば、インド大使館の認証は不要です。アポスティーユとは、ハーグ条約加盟国においては簡便的にインド大使館の認証を取得する代りに当該国外務省の付与する公印を持って代替する措置です。
東京都,神奈川県、静岡県、愛知県及び大阪府の公証役場では,申請者からの要請があれば,公証人の公証,外務省のアポスティーユを一度に取得可能なワンストップサービスが利用できます。公証役場で公証の依頼をする際に、書類提出国(インド)を伝え、アポスティーユを付与して欲しい旨を伝えれば対応してもらえます。2023年4月現在においては、公証役場での公証+認証(アポスティーユの付与)にかかる費用は11,500円となっています。
<ワンストップサービスに対応している公証役場一覧>
公証人役場で提出書類に公証を受ける際には、宣言書(Declaration)の認証を受けてください。宣言書には私は添付の書類を外国語に訳し正確な訳文に相違ないという宣言書(Declaration)を、提出書類とひとまとめにし公証人の面前で署名しその署名に対して公証人が認証を行います。
弊社で作成した宣言書(Declaration)のサンプルはこちらよりダウンロード頂けます。また、代理人が公証及びアポスティーユの申請をすることも可能ですが、代理人が申請する際に委任状等の必要の有無は訪問予定の公証役場に事前にご確認ください。
公証の効果はいずれの公証役場でも同じですので、最寄りの公証役場を以下の一覧から確認して頂き、手続きの詳細を公証役場にご確認ください。最終的な書類の文言などについては公証人の個別の判断になりますので、基本的には同じ対応をしていただけますが若干対応が異なる場合があります。
上記地域外の企業様におかれては、わざわざ外務省まで別途認証(アポスティーユ)を取得しに行くのは現実的でないため、代行業者を利用するのも一つの選択肢です。代行業者は多数あり、すぐに検索で発見できますので必要な方は検索してみてください。
■公証人役場所在地一覧
http://www.koshonin.gr.jp/sho.html
■外務省のアポスティーユ申請手続きガイド
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000608.html
<アポスティーユ見本>
こちらが、アポスティーユの見本です。公証役場で公証を受けた書類一式の最後のページに添付されます。黒塗りの部分に通し番号が付与されます。本アポスティーユを持って、インド大使館の認証を省略することが可能です。
シンガポールでの公証・認証(アポスティーユ)の取得方法
シンガポールは、2021年1月29日ハーグ条約の加盟を発表しました。従来はインド大使館の認証を受ける必要がありましたが、シンガポール法曹協会のアポスティーユ取得で代替可能になりました。申請の際には、日本のような公証役場という専門の機関はなく弁護士事務所が通常その窓口を兼ねていますので、弁護士事務所に依頼し公証を取得します。順序としては以下の通りとなります。
- 弁護士事務所に文書の公証を依頼
- 公証済の文書に対してアポスティーユを取得
※シンガポール政府機関が発行した書類については、上記の1のステップを省略可能です。
日本の公証・認証のプロセスと比較すると、全体で2~3週間を要しますので前広に準備することが必要です。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |