FIRCとは、Foreign Inward Remittance Certificateの略で外国送金を受領した際に公認取引銀行(Authorized Dealer Bank)より発行される外国国内仕向送金証明書のことです。送金明細とは別に発行され、送金主、金額、送金日、送金目的、送金元銀行等の情報が記載されています。一般的にFIRCの発行を受けるタイミングは、現地法人であれば資本金や対外商業借入(ECBローン)の受領時、駐在員事務所や支店は経費の送金受け取りなどの際です。
なお外国から直接投資を受け、FIRCの発行を受けた全ての当事者は、速やかにその株式の割当から30日以内にインド準備銀行(RBI)へFC-GPRと呼ばれるフォームでの株式割り当ての報告が義務付けられています。
<必要書類>
- 事前送金様式(Advance Remittance Form)
様式ダウンロード先:http://www.ebiz.gov.in/arf-central - FIRCコピー
- KYCコピー
※KYCとは、Know Your Customerの略で、この場合には送金主の情報や資金使途を銀行側が証明する資料である。送金主が実在していることを証明し、不正な資金利用などを防ぐ目的で発行される。
<提出方法>
従来は必要書類を揃えてAD Bank経由で届け出を行ったのだが、現在はインド政府の電子化が進み以下のサイトから直接RBIへ届け出が可能となっています。上記様式をダウンロード後、2及び3のスキャンコピーを添付しeBizのサイトよりアップロードを行います。アップロードの際には事前に当該サイトへの登録が必要となるため通常は専門家に様式の作成も含めアップロードまで任せるのが一般的である。アップロード後、提出書類に不備がない場合は個別識別番号(Unique Identification Number - UIN)が発行され通知が完了します。
尚、従来AD Bank経由で提出の必要があった原本書類については、現在はeBiz経由でアップロードした情報が自動的に共有され、AD Bankが確認した後RBIへ提出されます。よって、会社側は別途原本書類を提出する必要はなくなりました。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |