GIFTシティーとは、Gujarat International Finance Tec-Cityの略でありグジャラート州アーメダバードに建設中の国際金融テックシティーです。2007年に発案されインド初のスマートシティープロジェクトとして2012年から建設、開発が進められており、特別経済区(Special Economic Zone - SEZ)、商業エリア(ホテル群、娯楽施設)居住エリア、病院、学校等が併設されます。デジタル技術を活用した都市インフラ・施設や運営業務の最適化を通して、企業や生活者の利便性・快適性を向上させると同時に、今後世界的な金融ハブとして成長していくことが期待されています。
インド政府はGIFTシティーが対象となる様々な税制優遇を発表しており、銀行、ノンバンク、資産運用、保険、IT、BPO、航空機リース事業等のさまざまな事業分野に関するインド国内外の企業に対して、GIFTシティーに拠点(Units)設立を誘致したい狙いがあります。
GIFTシティーの税制優遇
国際金融サービスセンター(International Financial Services Centre - IFSC)のUnitへの主な税制優遇
- IFSCの登録から15年間の内、連続する10年間の間、一定の課税所得に対する法人所得税の100%免除(所得税法第80LA条)
- 最低代替税(Minimum Alternate Tax - MAT)が通常税率の15%から9%に減税(所得税法第115JB条7項)
GIFTシティーへの投資者への主な税制優遇
- 非居住者(インド外国法人等)によるIFSC内のUnitへの貸し付けに関する利息は非課税(所得税第10条15項ix号)
- 非居住者(インド外国法人等)が外貨にてIFSC内の公認証券取引所(Recognised stock exchange)で行った一定のボンド、グローバル預託証券、デリバティブ等の譲渡は税制上での譲渡(Transfer)とみなされず、キャピタルゲインは非課税(所得税法第47条viiab号)
- 非居住者(インド外国法人等)が得るIFSC内の公認証券取引所(Recognised stock exchange)の長期ボンド、ルピー建てのボンドに係る利息の源泉徴収税(Tax Deducted at Source - TDS)の軽税(所得税法第194LC2項ib,ic号)
- 非居住者(インド外国法人等)がIFSC内のUnitから受け取る配当所得に関する法人所得税率は通常税率の20%から10%に減税(所得税法第115A条1項a号A但し書き)
また、IFSC内の銀行Unit(IFSC Banking Unit - IBU)が非居住者に行うインドルピー以外の通貨で国際金融サービスはGSTが非課税となります(Notification No.2/2018-State Tax(rate))。またIFSC内の取引所で行う取引もGSTが非課税となります。
執筆・監修
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
新井 辰和 | Tatsuo Arai |