日本と同様、インドでも税務上で赤字の場合には繰越欠損金が発生し8年間繰り越すことが可能です。インドには繰越欠損金とは別に未消化の減価償却費(Unabsorbed Depreciation)というインド特有の考え方があります。未消化の減価償却費は、繰越欠損金には含めずに、別途繰り越していくことになります。
減価償却費の損金額を考慮前の所得の額が減価償却費の損金額より小さい場合には、その所得の額を超過する減価償却費は損金として計上せずに、未消化の減価償却費として将来に繰り越すことになります(1961年インド所得税法第32条2項)(2025年インド所得税法第33条11項)。未消化の減価償却費は繰越欠損金と異なり繰越期限の制限はありません。
なお、次税務年度以降の所得と相殺する場合には①繰越欠損金、②未消化の減価償却費の順に相殺します(1961年インド所得税法第72条2項)(2025年インド所得税法第112条3項)。未消化の減価償却費の計算方法の例示は下記の通りです。
×1年
- 益金 100
- 損金 160 (減価償却50含む)
- 所得 -60
→「繰越欠損金 10」 及び 「未消化の減価償却費 50」となります。
×2年
- 益金 200
- 損金 170 (減価償却50含む)
- 所得 30
→「繰越欠損金 10」がまず所得 30と相殺され、その後「未消化の減価償却費 50」が相殺されます。その結果、「未消化の減価償却費 30」が✖3年に繰り越されることになります。
執筆・監修
|
鈴木 慎太郎 | Shintaro Suzuki |
|
新井 辰和 | Tatsuo Arai |


